将来が闇に隠される時、運命の鍵を握るのは誰だ。 ライラエルはクレア族の本当の娘だと感じなくなってきた。彼女には先を見通す力がなかった。この力は、現在と将来起こることを透視できる力で、クレア族なら、生まれつき持っているものだった。なのに、そんな、ライラエルに古王国の将来が託されることになる。その古王国のどこかでアブホーセンのサブリエルは必死で戦っていた。 古来からの悪が影を落した。影により、王室は対立し、クレア族は先を見通す力を封じられ、生と死の境界を打ち壊しそうになっている。そんな状況で、ライラエルは絶望的な任務を命じられる。唯一の忠実な下僕である”不評の犬”により助けられながら、ライラエルは危険に満ちた旅に出て、自分自身の運命と立ち向かうことになる。
壮大なハイファンタジーではないけれど、読み進めていくうちに身近な苦境につぶされそうになるライラエルやサメス王子の自分を重ねずにはいられなくなる。2001年ディトマー賞受賞、アマゾンコム・ベスト、2002年南オーストラリア・フェスティバル・アワードナショナル・アワード児童文学賞受賞、米国図書館協会選定トップテン・ベスト・ブック、ニューヨーク公立図書館選定本。
The Abhorsen Trilogy : 古王国記シリーズ 1: Sabriel サブリエル 冥界への扉 2: Lirael ライラエル 氷の迷宮 3: Abhorsen アブホーセン 聖賢の絆
14歳になっても先視の力をもてないクレア族の少女ライラエルには、みなとは異なる大切な運命が待っていた・・・ガース・ニクスが描くダークファンタジーのあの傑作が、2006年、主婦の友社から文庫化。